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レビュー

第7節 対 ハイランダーズ @サンコープ・スタジアム(17,119人)


ライター 植松久隆 さん

2016年04月09日 in サンコープ・スタジアム

レッズ VS ハイランダーズ

 28-27 ○ 五郎丸 後半61分より出場

 先週の第6節は試合無しで休養十分のレッズは、今季初勝利を狙うべくホームに昨季王者のハイランダーズを迎えた。対戦相手のハイランダーズには、日本代表SH田中史朗がリザーブで名を連ねる。さらには、ハイランダーズを指揮するのが次期日本代表HC就任が決まっているジェイミー・ジョセフということで、レッズの五郎丸歩やツイ・ヘンドリックと併せて、日本のラグビーファンにはいつも以上に興味深い試合となったに違いない。

 試合は、開始早々に動いた。3分、下馬評の低いレッズが仕掛ける。ラックからのボールをSHニック・フリスビー、CTBサム・ケレヴィと繋ぎ、最後はFLリアム・ギルが右奥にトライ。レッズが5-0と幸先の良いスタートを切る。

 その後、相手にPGを決められ5-3と詰め寄られるが、この日のレッズは勝利への渇望からか気迫に溢れていた。16分にはWTBエト・ナブリが抜け出し、最後はフリスビーがど真ん中にトライ。コンバージョンも決まって、12-3と王者を慌てさせる。23分、相手にこの日2本目のPGを48mの距離から決められ、ジワリと詰め寄られるも、すぐに、SOジェイク・マッキンタイヤがドロップゴールで、突き放す。

 ここからのレッズはゲームを完全にコントロール。32分にもラインブレイクから左への展開を見せ、あわやトライのシーンは相手の好タックルに阻まれる。追加点を諦めないレッズは、35分、ラインブレイクから左に素早く展開。最後は、この日絶好調のWTBケレヴィが飛び込んでのトライ。難しい角度のコンバージョンもマッキンタイヤが冷静に決め、22-6とする。
 らしくないミスを連発する昨季王者に助けられるも、確実にトライを積み重ねて今季一番の内容のレッズがそのまま、前半を折り返した。

 後半は、昨季王者としてこのままで終われないハイランダーズの猛攻で幕開けた。41分には、早々の反撃トライかと思われたが、ビデオ判定でオフサイドの反則が認められ、トライならず。逆に、45分、マッキンタイヤが相手反則からのPGを決めて、25-6と引き離した。それでも食い下がるハイランダーズの連続攻撃に耐えきれず、48分にトライを許したかと思われたが、これも流れの中の反則でトライならず。その後、51分にはマッキンタイヤがこの日2本目のPGを決めて、28-6と逆に点差を広げ、この日最大の22点差まで広がった。
 
 59分には、ハイランダーズがようやくSHアーロン・スミスのトライで反撃の狼煙を上げた。その直後に、ハイランダーズはSH田中史朗を投入。それに呼応するかのように、その2分後には、レッズがFBカーマイケル・ハントの負傷もあり五郎丸を投入。この瞬間、サンコープ・スタジアムには五郎丸、田中、ツイ・ヘンドリックと3人の日本人選手がSRのピッチ上に並び立つ歴史的瞬間が訪れた。

 王者ハイランダーズは、そんな日本人の感慨を吹き飛ばさんばかりの怒涛の反撃を見せた。68分、71分と連続トライで28-27と1点差までにじり寄る。75分には、61分から出場していた五郎丸に、この日最大の見せ場となる44mのPGのチャンスが巡ってきたが、惜しくも僅かに右に外した。「最後の10分は、本当にひやひやした」と試合後のツイも語ったように、ハイランダーズの猛攻の前に何とか踏ん張ったレッズが逃げ切り、嬉しい今季初勝利。五郎丸は、6戦目でのSR初勝利をピッチ上で迎え、チームメイトやコーチ達と喜びを分かち合った。
 
 話を聞く選手のすべてが「チームは変わってきている」と話す、ここ最近のレッズ。それでも一歩及ばない惜しい戦いが続いていたが、この日、昨季王者に競り勝ったのは今後の大きな自信になる。五郎丸も2戦連続で出番を掴み、そのプレー時間も増加傾向だ。試合後にオコナー共同監督代行は、「彼は与えられた環境の中で、チームに貢献しようとよく頑張っている。試合の最後半の15分、バックスに落ち着きをもたらした」とその貢献を評価した。
 同僚のツイと試合後の会見に臨んだ五郎丸は「先駆者である田中選手が出る試合に出られたことは嬉しく思う。19年のW杯に向けて日本のラグビー界には非常に明るいニュースだ」と、”日本代表3人揃い踏み”の歴史的瞬間を振り返った。その会見時の表情からは、まだやれるとの思いが見て取れた。満面の笑顔も見られた。心配はいらない―Ayumu Goromaruの名前が、スタメンのリストに戻ってくる日は、そう先ではないはずだ。

 第7節終了時点でレッズは1勝1分4敗。全体順位も14位、豪州カンファレンス順位でも4位に浮上するなど、今後の反攻に繋がる貴重な勝利は、月曜(11日)早朝に出発する2週間の過酷な南アフリカ遠征への大きな弾みになった。

(ライター 植松久隆/9日・ブリスベン)

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